ポルトガルの本とか#3 [ポルトガル書籍・辞書など]
とりとめはありませんが、最近読んだりしたポルトガル関係の本をご紹介します。
ポルトガル 革命のコントラスト - カーネーションとサラザール
1974年4月25日、ポルトガルの無血革命の1日を軸に、「前」のサラザール政権下、「後」のヨーロッパ化とポルトガルの未来が、まったく葡歴に無知な私でも、ぐいぐい読み進めてしまうほど、分かりやすく面白く描かれています。革命の1日は、ドキュメンタリー映像で見てみたくなったほど。NHKとかやらないかなぁ。「革命後」の話としては、2004年のUEFA欧州選手権をもってくるあたりが、お堅い研究書とは一味違う。「グルベンキアン美術館」が何だったのか、8年越しにやっとわかった。
おヨネとコハル - ヴェンセスラウ・モラエス
7月1日、徳島で行われる「モラエス忌」に参加したことのある、徳島県外の人間としては非常に珍しい私なのだが、彼の著書をまったく読んだことがなく、これは恥ずかしいことであるなあ、と手に取ったこの一冊。小泉八雲と並んで語られる、もしくは八雲は言及されるがモラエスはされない、みたいなところもある、もちろん、日本人の認知度もかなり違うだろう、この人。個人的なことを言うと、八雲は学生のころ「『知られざる日本の面影』(Glimpses of Unfamiliar Japan)を原文で読んだし、松江の記念館にも行ったことがある。で、どうか、なんだけれど。。。無知で無教養の大学生だった私に「知られざる日本の面影」は荷が重すぎたのか、生真面目すぎたのか。
さて、年齢を経て邂逅したモラエス。白いご飯の炊き上がる様とか、病人(コハル)のかじったバナナを捨てるとか、臭覚のない尼さんの話とか、徳島が田舎くさい都市だとか、五感を使って読む、といったらいいのだろうか。
また、モラエスのこの本の中には、今も日本人が失わずに、いや失えずに抱え込んでいるもの、それはもしかしたら捨ててしまってもかまわないんじゃないの、っていうものが見え隠れする。失ったものより心にひっかかってくる。モラエスを語るとき、ウェットになる傾向があるけど、私は逆のような気もした。ある程度渇きがないと、こんな随筆はかけないような。そう、随筆、と書きましたが、一種小説のような醍醐味もあります。
Take off in Portuguese - The Complete Language learning-kit
ポルトガル語を独習するためのCD-ROM付きテキストブックです。英語圏の人対象の本なので、解説はテキストもCD-ROMもすべて英語。そんでもってブリティッシュ・イングリッシュ。なので、英語のヒアリングの練習にもまあなりますね。で、けっこう最初の方からポルトガル語の会話文はバシバシ飛ばします。なので、文法を日本語できっちり勉強した後でないと、ちょっと難しいかと思います。ダラダラとはだけど、ブラジル・ポルトガル語講座を受けてた恩恵がちょっとありました。
よかったのは、CDのなかで「ああしましょう、こうしましょう」というガイダンスがけっこうあること。日本のこの手のテキストのCDの内容は、高速でポルトガル語を流すだけで非常に不親切なものが多いです。
で、ポルトガル語の会話ですが、つっきー先生が聴いてて「なんか、ポルトガルにいたときのこと思い出して、嫌な気分になる」くらい、現地っぽいみたい。特に女の人の声が。
「そうそう、あっちのおばはん、こんなしゃべりかたしよるわ。」
Take Off in Portuguese: The Complete Language-learning Kit
- 作者:
- 出版社/メーカー: Oxford Univ Pr (T)
- 発売日: 2008/05/05
- メディア: CD-ROM
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