ジョゼ・サラマーゴの棺 [ポルトガル書籍・辞書など]
今年の6月、リスボン滞在時に、私はひとつ賢くなりました。
知らなかった(のは恥ずかしいけど)偉大な作家を知って、
日本に来てから3冊トライ。
知ったきっかけは・・・葬儀。
亡くなった作家は、ジョゼ・サラマーゴ。ノーベル文学賞作家です。
日本での翻訳本が少ないっていうのもありますが、それでも知らなかったのは
ちょっと恥ずかし。「リカルド・レイスの死の年」というタイトルの本は知ってたのに。
カイス・ド・ソドレへ徒歩で向かう途中、たくさんのテレビカメラと警備の人たちが
うようよしている建物の前に出くわした。「通ってもいいですか?」と聞いたら
「ああ、いいよ。」
まだ、何かが始まる風でもなさそうでした。Jose Saramagoという名と
その写真がプリントされたモノクロの大きなのぼりが立つ。
「この人が亡くなったのかな?亡くなってすぐにこんなのぼりが出来てる
もの変だな。講演会かな?」
ファドのお店の人に聞いてみると、ポルトガルの著名かつ
人気の作家が亡くなった、とのこと。のぼり、やはっ!!
翌日、国立古美術館に行った帰りの市電が、またその葬儀の建物の横を
通った。ちょうど棺が霊柩車に収まる瞬間が目に入った。
ジョゼ・サラマーゴ氏との邂逅。
FNACではさっそく多くの作品が一角を独占している。ノーベル賞取るぐらいだから
難解そう。とてもポルトガル語では無理、と、手に取ることもしなかったのだけれど
後から後悔した。
読みやすい寓話もあったのだった。帰ってからAmazonで探したけれど、日本語版
と英語版しかなく、つっきー先生に買ってきてもらうことにしました。
日本では、「白の闇」(映画「ブラインドネス」の原案)、「見知らぬ島への扉」、
「修道院回想録―バルタザルとブリムンダ」を手にする。なかなか読みづらいけど、
でもグイグイ読ませる。とっつきにくいかもしれないけれど、未体験のかたはぜひ。
でも、棺と出会う小説家って。リスボンでの不思議な体験でありました。
- 作者: ジョゼ・サラマーゴ
- 出版社/メーカー: 日本放送出版協会
- 発売日: 2008/05/30
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- 作者: ジョゼー サラマーゴ
- 出版社/メーカー: 而立書房
- 発売日: 1998/12
- メディア: 単行本
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