アントニオ・タブッキ氏、逝く。 [ポルトガル書籍・辞書など]
2012年3月25日、イタリア人小説家のアントニオ・タブッキ氏が亡くなりました。
享年68歳。早すぎる死です。
初めて読んだ彼の小説は「インド夜想曲」。これの映画化されたものに、私の好きな
フランス人俳優、ジャン・ユーグ・アングラードが出ていたのでビデオ屋さんで
借りたのがきっかけです。
きっとこの原作の小説は、美しいに違いない、と感じて本を手にとりました。
その後、ポルトガル三部作「レクイエム」「供述によるとペレイラは」
「ダマセーノ・モンテイロの失われた首」は生涯の愛読書となりました。
何度読んでも面白いし、新しい発見がある。
「観光ガイドブック」としての使い道まである。
「レクイエム」に出てくる、公園、建物、美術館などを、リスボンに行くたび
少しずつ訪ねたりもしました。
最期は、そのリスボンでした。これも縁なのでしょうか。
須賀敦子さんの名訳もあります。彼女はさらに早くに逝ってしまわれました。
新作はほとんど翻訳されていません。
それが少しさみしいです。
死がきっかけで、というのはあまりうれしいことではありませんが、
新刊の翻訳本が、出版されることを願ってやみません。
供述によるとペレイラは… (白水Uブックス―海外小説の誘惑)
- 作者: アントニオ タブッキ
- 出版社/メーカー: 白水社
- 発売日: 2000/08
- メディア: 新書
- 作者: アントニオ タブッキ
- 出版社/メーカー: 白水社
- 発売日: 1999/07
- メディア: 新書
ご指摘ありがとうございました。
「ポルトガル語で書いたのは『レクイエム』のみ」とコメントいただいていた方、ハンドル名がスパムっぽかったので慌てて消してしまいました、スミマセン。
訂正しています。また遊びに来てください。
by kiahuna_moon (2012-04-10 22:54)
こちらこそ、紛らわしいハンドルで書いてしまい、すみませんでした。
by アントニオ・ボット (2012-04-11 04:41)
>アントニオ・ボットさん
あ、アントニオさんだったのですね。こちらこそ失礼しました。
タブッキファンがまわりにもネット上にもたくさんおられますね。
亡くなられてしまって本当に残念ですが、もっともっとたくさんの
人に知ってもらいたいです。
by kiahuna_moon (2012-04-11 14:24)