古典ファド(Fado Tradicional)の愉しみ #2 サビがない! [古典ファドの愉しみ]
さて、もうちょっと「古典ファド」の解説。
#1で、古典ファドというのは「ポルトガルの定型詩」を歌うための曲をさす、という説明をしました。
じゃあ定型詩って言うのは?
日本で言うと、俳句とか短歌。575とか57577、という風に文字の数が決まっています。中国の五言絶句なんかもそうかしら。
欧米などの言語の場合は、単語の音節の数。 ポルトガル詩の場合はその種類がもっと多くあるそうです。
なのでファドでは、いろんな定型詩用の曲があります。例えば…
7音節6行詩を歌うための曲
7音節4行詩を歌うための曲
10音節4行詩を歌うための曲 などなど(まだあるそうです。)
素人である私が最初に浅はかに考えたのは、「行数が少ないほうが、歌詞が少ないし覚えやすいし簡単そう」
いやいや。
これはまた徐々にお話していきたいと思います。
では今回はいろんな定型詩の歌を比べてお聞きいただきます。
音節が多くなっていくにつれて、やはり音符も多くなるのでメロディアスになって、よりドラマティックになっていくのがわかります。
quadras(7音節4行詩を歌うための曲)
sextilhas(7音節6行詩を歌うための曲)
Vercículos((7音節+3音節)4行詩を歌うための曲)
Decassílabos(10音節4行詩を歌うための曲)
ここで、いくつかの種類の定型詩にあわせた古典ファドを聴いていただいて、気がついた人いるかな。
古典ファドって「サビ」がない!
のです。だいたい、同じコード進行で2行歌ってちょっと違うので2行歌ったり、 なかにはずーっと2コードだったり、なのもあったりです。いわゆるAメロ、Bメロ、サビといった現代大衆音楽のパターンがありません。
なのに、こんなに盛り上げて聴かせるには、いろいろあるのです。
それは、また次回のお楽しみ!
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